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車内で一日中パソコン仕事ができる電源が欲しい。ポータブル電源の選定と実装を行った結果
- 2020/9/10
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移動オフィスにはポータブル電源が必須
車で移動をしながら仕事をしようと考えた時、真っ先思いつくのがポータブル電源であろう。世の中にはいくつものポータブル電源が発売されているが、その中で幾つかの要件から選定を行なった。
移動オフィスに設置するポータブル電源の要件
以下、あくまでも筆者の選定基準であるが、幾つかは参考になるのではないかと考える。
- 設置場所が、オフィススペースを逼迫させず確保できること
筆者の車は既にかなりの部位までオフィス化されているが、オフィス化を進めると必ず出てくるのが設置場所の問題である。下手するとセンチメートル単位での調整が必要となってくる。というか、筆者の移動オフィスは既にそのフェーズに入っている。
したがって、ポータブル電源の選定にあたっては、既に車に存在しているデッドスペースへの設置ができるものを選ぶことができるのがベストである。
筆者は、以下の場所への設置を目指し選定した。
・助手席または二列目シート下のスペース
・運転席/助手席間のスペース - 少なくとも8時間は電力が供給できること
邪魔にならないスペースに設置できたとしても、就業時間中に電力供給がストップしてしまっては元も子もない。ある程度は移動中の充電やソーラー給電で賄うとしても、相応の蓄電容量は必要である。
では、どれくらい必要かと言われれば、それは使用する機材によりけりとしか言いようがないのだが、購入時点ではまだ使用機材の総体が明確ではなかったため、以下の選定基準を設けた。
・ノートPCの充電は自宅でも行うことを前提に、少なくとも8時間ノートPCが利用できること - 必要十分なソケットが準備されており、設置場所からの脱着が容易であること
ある程度まではタコ足配線で賄うとしても、それなりのACソケット数の確保が望まれる。一方、USBソケットについては、それほど重要視しないで良い。というのは、設置場所から直接USBを引き回すのが困難なのが想定されること、どうせPD対応の電源が多数必要になるので、ACで後付けした方が都合が良いからだ。
というわけで、最低でも複数のACソケットを搭載していることを要件とした。
また、実際に選定をしてみるとわかるが、特にデッドスペースを利用しようと考えた場合、ソケットの設置場所には注意が必要である。ギリギリのスペースに設置できたはいいが、ソケットの脱着が困難だったり、最悪の場合ソケット差込のためのスペースが確保できないということになりかねない。 - 持ち運びが容易であること
この要件は、大抵の場合においてクリアは容易であると思われるが、取り出しづらい場所に重量級のバッテリーを設置すると、持ち運びの際に腰を痛めるなどということになりかねない。自身の体力と相談の上、現実的なものを選定すべきであろう。 - シガーソケットからの給電に対応していること。できればソーラー充電も可能であること
不慮の事態で帰宅困難となった場合、また前日の充電に失敗(または充電を失念)した場合、緊急回避的な充電が必要となるケースはままある。
また、せっかく野外で仕事をするのだから、将来的には走行中や停車中にソーラーパネルから給電できると、なんとなくカッコいい気がする。なによりエコであり、なんとなく、外で仕事をするインセンティブになりそうである。
なお、大抵のポータブル電源はシガーソケットからの給電に対応可能であるし、給電に対応したソーラーパネルというものも結構販売されているので、心配な人は予め接続に成功しているブログの報告などをチェックするレベルで良かろうと思われる。
購入したポータブル電源
以上の選定基準を設け検討した結果、筆者が購入したのはLACITAエナーボックス。
決め手は以下。
- 運転席と助手席間のデッドスペースに設置できる縦長の電源であったこと
他のポータブル電源は多くの場合、立方体に近いデザインとなっている。それはそれで無難ではあるのだが、どうしても設置場所に困る傾向にある気がする。
その点、この製品は縦長で、あまり高さもないため、筆者が考えた「デッドスペースへの設置」にはもってこいだった。
- PCへの給電が10時間可能であること
LACITAエナーボックスの容量は120000mAh/444Wh。商品説明では一般的なノートPCへ10時間給電可能とある。無論、使い方によるだろうが、筆者はバリバリと動画編集することもなく、使用しているのは主にオフィス系アプリとブラウザ、メーラーくらいなものであるので、このくらいの容量があれば、ひとまずは平気だろうと踏んだ。 - ACソケットが3つ、適切な場所に搭載されている
確認した限り、この価格帯でACソケットを3つ搭載しているポータブル電源はこれだけ。
また、他のポータブル電源の多くは大きなインパネにソケットが設置されているのだが、LACITAエナーボックスは小さなインパネにソケットがコンパクトにまとめられている。仕事は二列目シートで行うので、電源の取り回しがすこぶる良い。 - 持ち運びに便利なサイズと重さ
運転席横に設置できたので、帰宅時にエンジンを止め、左手で掴めばすぐに持ち帰りが可能。重さも5Kg程度と、成人男性の筆者であれば問題なくキャリー可能である。 - シガーソケット/ソーラー充電に対応
ともに専用のオプションが販売されているため、対応可能である。
なお、筆者はともに純正外の製品を購入したが、問題なく稼働している。
使用感など
購入し、既に5ヶ月ほど利用しているが、使用感は以下のような感じ。
- 無茶をしなければ1日半程度利用できる
普通の使い方をしていれば一日中仕事をしていても少しバッテリーが残っている状態で帰宅できる。
なお、以下の運用をした時に電源が枯渇したが、こんなのは当たり前のことである。
・ノートPCを2台、iPadとBluetoothスピーカーでAmazonプライムビデオを終日見ながらiPhoneを給電
・テレビとプレステを持ち込みゲーム三昧 - 出力不足に陥ったことはない
通常運用で使用している機器は以下の通りだが、今のところ出力不足になったことはない
・ノートPC(Macbook PRO)
・ポケットWifi(WiMax2+ NAD36MWU)
・Bluetoothスピーカー(Bose Revolve Soundlink)
・空気清浄機(Sharpプラズマクラスター車載用)
・iPhone11PROMax
・ポータブル扇風機×2
・アースノーマットw - ソケット不足での不満はない
やはりACアダプター×3というのが素晴らしい。当初、USBポートをあっという間に使い果たして困ったが、ACで利用するUSBハブを導入したことにより、全く問題がなくなった。 - 移動中の給電やソーラー充電も可能
別の機会に紹介するが、移動中の宮殿やソーラー充電も可能である。ただし、あまり過度な期待はしない方が良い - 不満があるとすれば、充電状況がわかりずらいこと
他社製品の中には、バッテリー残量が%表示されるものも多いが、この製品は5つのLEDで概ねの充電量が示されているだけである。また、このランプ表示も結構怪しく、さっきまで5個点灯していたはずなのに、気がついたら2個になっているなんてことも多い。
また、充電する電力が視認できないのも不満。こちらについては、別途外付けの装置を自作し挟み込み、測定を可能とした。
総合評価
以上の通り、現状の運用においては、ほとんど不満点と呼べるようなものが存在せず、むしろ大満足である。
ただ同時に、このポータブル電源のみで宿泊込みの「出張」に行けるかと言えば、まだまだ課題も多い。
出張までを想定した場合、以下の追加装備を検討することになると思う。
- 夜間宿泊の検討
自身の健康のためではなく、バッテリー給電のために宿泊する。
ネットカフェやRVパークなどの利用も想定できる。 - 屋根へソーラーパネルを設置
曇天時にはどうしようもなくなるが、ソーラー給電については積極的に検討したい。 - ポータブル電源の追加
もう一台同じものを購入するというのが一番現実的な気がしている。普段は荷席に積みながら充電、いざとなれば電源ごと入れ替え、みたいな。
ただこの場合、給電の仕組みを二重化する必要があり、結構考えるのが面倒ではある。今後の課題。
↑暫定的ではあるが、対策を行った。こちらの記事をご参照いただきたい。
公式サイト
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2021年 1月 19日
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